【概要】 ワンタッチ式パワーウインドウ装着車に挟み込み防止機構を追加しました。
【機構説明】
- 挟み込み防止機構付きワンタッチ式パワーウインドウをワゴンSWおよびバンDXを除く全車に標準設定しました。なお、挟み込み防止機構は運転席ドアガラスにのみ設定されています。
- 挟み込みを検知するコントローラーをマスタースイッチに内蔵しました。コントローラーは、パルス発生部から送られてくるパルスを常に検知しており、挟み込みが行われた場合(パルス幅が変化)にパワーウインドウモーターを反転させます。
- ワンタッチ式パワーウインドウにキーOFF後作動機能を追加しました。なお、キーOFF後作動機能は運転席ドアガラスにのみ設定されています。
【構造と作動】
●キーOFF後作動機能(運転席ドアガラスのみ)
- イグニッションスイッチをON-OFFにすると、マイクロコンピューター内のキーOFF後作動回路がONして、約45秒間マニュアル作動およびオート作動が行えます。
- 下記の条件がひとつでも成立すれば作動を停止します。
- タイマー時間(約45秒間)が経過
- 運転席ドアカーテシランプスイッチ ON-OFF(ドア開-閉)
- マスタースイッチ内のマイクロコンピューターがモーターロック電流を検知したとき
●挟み込み防止機構(運転席ドアガラスのみ)
- オートアップ作動およびキーOFF後作動中に物を挟み込むと、コントローラーがモーター回転数(パルス幅の変化)を検知して、強制的に運転席ドアガラスを約50mmまたはドアガラスが開いている量(すき間)が約200mmに達していない場合は約200mmになるまでダウンさせます。
【作動】
●作動原理
パワーウインドウモーターの回転を検出するパルスセンサーのパルス幅の増加率を、マスタースイッチに内蔵されているコントローラーが検知して挟み込みと判定し、パワーウインドウモーターを反転させます。
●作動条件
下記の3つの条件がすべて成立した場合、挟み込み防止機構が働きます。
- マスタースイッチの運転席用スイッチによるオートアップ作動時およびキーOFF後作動によるマニュアルーオートアップ作動時。(イグニッションスイッチONでマスタースイッチの運転席用スイッチをアップ側に2段操作し続けた場合、コントローラーはマニュアル作動と同様と見なすため、挟み込みを検出しません)
- 運転席ドアガラスが全閉直前以下。(パワーウインドウモーターに内蔵されているリミットスイッチがON)
- 挟み込みにおける荷重が検出値以上または、マスタースイッチに内蔵されているコントローラーがモーターロックを検出したとき。
なお、アップ作動開始直後または、運転席ドアガラスがオート作動中で他席のパワーウィンドウを作動させた場合などの電圧降下時において、マスタースイッチに内蔵されているコントローラーは、挟み込みを検出しない場合もあります。
●挟み込み検出後の反転条件および反転降下量
- マスタースイッチに内蔵されているコントローラーが、挟み込みと判定した時点から運転席ドアガラスが約50mmダウン(下降)します。
- 挟み込み防止機構が働いて約50mmダウンしても、ドアガラスが開いている量(すき間)が約200mmに達していない場合は、約200mmになるまで反転作動を継続します。
- 挟み込み防止機構が働き、反転作動が約50mmに到達する以前にドアガラスが全開状態となった場合は、その時点で作動は停止します。
- なお、上記の条件が成立する前にマスタースイッチに内蔵されているコントローラーがモーターロックを検出した場合は、その時点で作動は停止します。
- 反転作動中は、マニュアル・オートアップ作動の入力を禁止します。ただし、反転作動終了後にいったんスイッチがOFFされた後、マニュアルアップ入力を受け付けます。
- 反転作動中にマニュアル・オートダウン作動による入力があった場合は、反転作動終了後ダウン作動に移行します。
●フェールセーフ
リミットスイッチまたはパルスセンサーの異常をマスタースイッチ内のコントローラーが検出した場合、マスタースイッチはマニュアルアップ・ダウン出力のみ受け付けます。
- フェール検出方法
- リミットスイッチでのフェール検出は、リミットスイッチOFF(ドアガラス全閉)の状態でダウン作動を開始してから約2秒間、リミットスイッチがONしない場合。
- パルスセンサーでのフェール検出は、リミットスイッチOFF(ドアガラス全閉)の状態でダウン作動を開始してから約2秒間、マスタースイッチへの連続したパルス入力がない場合。
- フェール検出後からの復帰
下記の条件が成立した場合には、リミットスイッチおよびパルスセンサーが正常に復帰したと見なし、マスタースイッチ内のコントローラーは通常の制御を行います。
- マニュアルダウン作動を開始後、リミットスイッチのOFF-ONをマスタースイッチ内のコントローラーが検出した場合。
- マニュアルアップ・ダウン出力が行われたときに、パワーウインドウモーターの回転による連続したパルスをマスタースイッチ内のコントローラーが検出した場合。
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