ワイヤレスドアロックリモートコントロールを装備していない方には申し訳ないのですが、ワイヤレスリモコンの電波到達距離を伸ばす方法の紹介です。
現時点で確認できているのは、オプションで装着されるタイプのみです。ロイヤルラウンジ等に標準で装備されているタイプでは確認できていませんので、この方法がそのまま使えるかどうかはわかりません。

■ワイヤレスドアロックリモートコントロール
まず、簡単な概略をご説明いたしましょう。
リモコン本体(送信機)の電波出力を上げてやれば電波到達距離は確実に延びます。しかし、内部構造上不可能と言ってもいいでしょう。大きさの制限を無くしてしまうのであれば、出力を上げることも可能ですが、セカンドバッグ並みのリモコンを持って歩くというのはどう考えても異様です。
そこで、ワイヤレスドアロックリモートコントロールユニット(以下、ユニットと省略します)の受信感度を上げてやることを考えました。ユニット自体はすでに完成された回路を持っており、調整するような個所は見当たりません。それでは受信するアンテナの利得を向上させてやればいいわけです。
ユニットのアンテナですが、意図的に感度を落としてあります。中空ボビンに銅線を巻き付けただけの簡単なアンテナなんです。基板を良く見てみると標準のアンテナと同一パターン上に、外部アンテナを増設するため(?)の端子を見つけることができました。ここに外部アンテナを接続してやれば受信感度は向上するはずです。
当初は、単純にリード線を半田付けして、車内へ這わせたのですが、まったくと言っていいほど、変化が見られませんでした。やはりアンテナは車外へ出す必要がありそうです。車外のアンテナならばちょうどいいのが標準で装備されていますのでちゃっかり共用してしまいましょう。
まず、用意する物です。
半田ごて・プラスドライバー・1.5D同軸ケーブル(この同軸ですがインピーダンスが50オームでなく、75オームでも構いません)を2m程度・FMアンテナの分岐コネクター(要するにラジオへいっているアンテナのふたまたです)
さて、実際の作業に入りましょう。
最初に、ユニットを取り外しますが、場所は運転席の下に装着されています。大きさはタバコの箱をひとまわり大きくしたぐらいの黒いプラスチック製のものです。カーペットの下に鉄板を差し込み、その鉄板に両面テープで貼り付けてありますので(ディーラーが正規の取り付けを行っていれば)無理やり引き剥がしましょう。コネクターを外せばユニット単体の取り外し完了です。
ケースを開けるには特別な工具は必要ありません。ツメが引っかかっているだけですから、なにかでこじって開けます。ここで初めて基板が見えるようになります。プラスのネジ一本外してやれば基板を取り外すことができます。
接続するアンテナですが、波長を計算しベストな物を・・・なんて小難しいことは考えません。周波数で光速を割って波長が求め、定在波比をゼロに近づけるなんてことは受信専用ということで今回は無視します(笑)これによる弊害はほとんど無いでしょう。事実、可変長のラジオアンテナだってちゃんと受信出来てるでしょ。
納得(?)できたところで、基板上の図の端子、三つありますが、図の上で左側に心線、右側二つの内のどちらかに網線を半田付けします。この際、基板上の穴に心線、網線を差し込もうと考えるとかなり手間ですから、私は基板裏面のパターンに直接半田付けしました。後はケースに同軸の通るだけの切り込みを入れ、その切り込みから同軸を引っ張り出し、分岐コネクターに半田付けします。分岐コネクターのコネクター部分に直接半田付けできればいいのですが、コネクター自身が非分解なので、邪道ではありますが、同軸から同軸へ半田付けしちゃいましょう。
これで、後は元通り組み付けて、ラジオへいっているアンテナの配線を終えれば、完成です。これでユニットのアンテナは車外へ導かれました。

【実際の使用感】
ハッキリ言って、“変わりません”(笑)
最初は、リード線を半田付けし、窓際に這わせておいたのですが、やはり車内では感度が悪い、という結論で、車外までなんとか引きずり出したのですが、徒労だったようです。ただ、体感的に変化が無い、ということで、理論上では確実に良い方向へいっているはずです。ですから、条件によっては今までの数倍の距離で感知することもあります。
この条件ですが、どうやら送信機側にも大きな要因がありそうです。
距離が遠くなって、操作不能になった場合でも、送信機を手から離し絶縁体でスイッチを押してやると操作が可能になります。人体が電波に影響を与えていることは明らかです。
まあ、ここから先は今後の課題ですね。
結論として、余程の暇がある方、このページに記載されている用語の意味が理解できる方以外は手を出さない方がいいかも知れません。苦労に見合うだけの結果は出ません。だから期待するな、って言ったんです(笑)
以上で、ワイヤレスドアロックリモートコントロールの遠隔操作距離延長の実験はひとまず、終了とします。

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